幼なじみはアイドルの先輩

「ちょっと待ってて。事務所に携帯置いてきたから取りに行ってくる」


追い打ちをかけるように私とゆかりの2人っきりになってしまうし。


急に熱が出てぶっ倒れたい。


「……大変ご迷惑をおかけしました」


「…………」


明らかに私と目を合わせてくれない。


心の声が聞こえてくるよ。


信じらんない。


サイテー。


やる気あんの?


ゆかりの冷めた心の声が私の耳にまとわりつく。


正面にスタンドミラーがあるけど、私の顔は顔面蒼白だ。


「お待たせ。電源入れたままだったよ。だいぶボケてきたかなあ」


亨おじさん、遅いですけど、よかったあ。