幼なじみはアイドルの先輩

選考の人の気分で進んでいるのか?


和奏ちゃんは緊張から解放されたのか、半分残ってたペットボトルのお茶を全て飲んだ。


百合ちゃんも似たような感じで戻ってきた。最後に出た質問がお姉さんたちと仲良くやれるかって。


まあ12歳の子にいい大人が怒れないよね。


「内野さん、お願いします。水原さんは廊下で待機しててください」


男性スタッフがラスト2人を呼びに来た。


グータッチで藍ちゃんを見送った。


ひんやりした空気の廊下で待ってるのも孤独だな。


音楽と、藍ちゃんのハスキーボイスな歌声が聴こえてきます。


普通に上手いんですけど。


これのどこにケチつける気なんでしょうね。


なーんて、安心しきっていたら、音楽が鳴りやんだ直後、机を叩く音が聞こえました。


声聞こえないから何が起こってるの?


びびっていた私の前に藍ちゃんが帰ってきました。


「耐えてよ」


言葉に力がこもってない。


経験者でさえああなるのか。