幼なじみはアイドルの先輩

私が戻ると今度はみんな歌やダンスの練習をしていた。


3分で戻ってきた私にはまるで眼中になしです。


それでも3人は見捨てないでくれましたよ。


他の子たちは自分自身との闘いのように1人で黙々とオーディションに備えているのに対して、私たちは一緒にやりながらお互いの良い悪いを指摘しあえた。


そして、面接と同じ順番で歌とダンスのオーディションが始まった。


「めっちゃ緊張します!」


百合ちゃんの初々しさに和みます。


「杏ちゃん、ここで気合いを入れてーー」


藍ちゃんが話している途中で扉が開いた。


5分前に会場へ行ったばかりなのに、もう戻ってきた。涙が溢れて嗚咽してた。


控え室は一気に緊張に包まれた。


みんな一斉に下を向く。明日は我が身だからね。