幼なじみはアイドルの先輩

「劇場のメンバーが辞めるって言っても久留米さんは去るもの追わずですよ。才能ある子たちなのにもったいないです」


ロックを一気飲み。


グラスをテーブルにバンと置き、魂が抜けたかのように口をだらしなく開けてる。


余計なこと言ったら火に油を注ぐだけだから、黙り続けた。


注文したじゃがバターがうまいわ。


「杏ちゃんはホント素晴らしいですよ。上から押さえつけられていても、腐らず最低限やれる範囲はきっちりこなしてます。安西君が彼女を手元に置いといていたいのわかるような気がして」


「食べてみるか?うまいぞ」


飲んでばかりの榊につまみを強引に食べさせた。


じゃがバターを食べた榊の顔がほころんだ。


「美味しいです」


「せっかく函館まで来てるんだからうまいもの食って帰るぞ」


帰ったらまたダイエット解禁だ。