幼なじみはアイドルの先輩

レッスン終了後、全員整列したところで菜穂が俺に一言どうぞと振ってきた。


「俺は特にないが、ここは劇場チーフがお見えになってるから、水原にお願いするよ」


「……わかりました」


地位が人を成長させるのか、無茶ぶりにも淡々と応じられるようになった。


「そうですね……。まだまだ覚えることがたくさんあるかも知れないけど、今の時間を丁寧に過ごしていけば後々自分が困らずにいけるから、地道な毎日が続くと思うけど自分に負けないようにね。終わったらみんなにお菓子配るから帰らないでね。社プロデューサーはやはり何もなしですか?」


「俺もチーフと同じです。以上」


今はマジに何も浮かんでこなかったからおんぶに抱っこさせていただいたよ。