幼なじみはアイドルの先輩

榊さんからいただいた缶コーヒーを飲んだ。


まだ少し冷えてた。


苦味の濃い大人の味ですね。


「ここではあなたがあたしより立場が上なんだからビシバシ言ってちょうだい」


「どこかの誰かさんのようにあたしは劇場でガミガミお説教はしないのでご安心ください」


急に押し黙っちゃったゆかりは背伸びした後ソファーに寝そべってしまった。


彼女らも2日間連続アリーナ公演後だからグッタリするよね。


「寝ないでよ」


「あたしはどっかの誰かさんのようにギリギリまで寝ませんからご安心を」


やり返された。


ゆかりがもしあの日劇場公演メンバーだったらと想像しただけで恐怖にさいなまれる。


「今度安西チーフのお見舞い一緒に行こうよ。それと、今月中に20歳の飲み会やるからよろしく」


総帥がやっと動き始めたか。


年またいだからもうないと諦めてたんだから。


卒業してもすぐひかるさんに会えるからある意味先伸ばしでよかったよ。