幼なじみはアイドルの先輩

安西チーフは私を買いかぶり過ぎなんですよ。


お手伝いはいくらでも出来るよ。


だけどさ、劇場運営ってなると話は別だよ。


事実、安西チーフの悩める姿この目で嫌というほど見てるし。


20歳の娘にはあまりにも辛くて荷が重そうです。


「早くもお悩みですか?」


榊さんから缶コーヒーをいただいた。


知らず知らずのうちに頭抱えてる。


「私にチーフはやっぱり……」


「大丈夫だって。安西さんを手伝ってたんだから自信を持って。それに」


「それに?」


「久留米本部長はもとから劇場にあまり熱心じゃないし、俺が全て決めるって人だから、難しいことは久留米本部長が決めるから心配する必要はないんじゃない」


「はあ……」


それってつまり私らはただのお飾り?


だとしたらいる意味がないと思うんだけど。


大人の事情にとことん振り回されますね。