幼なじみはアイドルの先輩

先に義理チョコ選びをすませている文が待ってるカフェへ行くと、すでに文の手元にはアイスコーヒーとチーズケーキが。


「お疲れ様でした」


嫌みの1つ言われるかと思ったけど、文はゲームに夢中のようですぐにスマホの液晶画面とにらめっこです。


こうなったらいくら話しかけてもシカトなので、黙って終わるの待ちます。


私もアイスコーヒーとチョコレートケーキを注文してゲームでもしようとスマホを出そうとした時、頭が真っ白になった。


レジに向かって歩いてくるカップル。


都内だよ。


普通ならいるはずないんだよ。


どうして桜井飛鳥先生が……。


どうして愛結さんと手をつないでいるんですか?


愛結さんはすれ違う直前帽子を深くかぶり私らとは視線がぶつからなかった。


飛鳥先生は私と目が合ったけど、特に反応もせず通り過ぎていった。


あの頃と違って痩せて眼鏡かけてるから私と気づかなかったんだろう。