幼なじみはアイドルの先輩

これで終わりなんですか?


渋沢監督や牧村さんに握手されて終わりだよって言われた。


「よかったよ。また機会があったらよろしくね」


渋沢監督と牧村さんがわざわざ外に出てきてくれて、私たちを見送ってくれた。


今回は後部座席に座って、座ったあとはほぼ脱け殻に近い状態だった。


慣れんことしたから強烈な眠気が一気に襲ってきた。


「修さんに今日はお任せする?」


ミラー越しの私の状態を見て真帆さんが言った。


ミラーに映ってる私は正気がなく目もうつろだった。


「別に病気じゃないんで、そのままラジオ行きます」


帰り際、三輪マネージャーから栄養ドリンクをいただいたんでそれを飲んだ。


「そうだ!頼まれてた調べもの。えっとね、15人だよ。どうする?全員に発送してもいいけど、今回それしたらずっと続けないといけないかも知れないよ。女の子は難しいからね」


「年に1度ですからいいです。平和主義なので」


喋るのがこんなに面倒だったっけ?


真帆さんが何か言ってるのはミラー越しにわかるけど、空になったドリンクのビンを手に持ったまま意識が薄れていった。