「おはようございます」


車から出て後部座席のドアにもたれかかるようにして栄養ドリンクを神田さんは飲んでいたけど、私が姿を見せるや、急いでキャップを閉じて車に乗り込んだ。


昨日とはうってかわっての曇り空だ。


蝉が鳴ってないよ。


風も熱風ではなく、時々心地よい風が木々を揺らしてる。


いよいよ夏の終わりを告げますか。


「どこでトークショーやるんですか?」


「水原のホームグラウンド」


傾いていたミラーを神田さんは調整した。


これについては仕方ないか。


この後劇場公演がいつもと違い夜の部が大幅に繰り上がって始まるようで。


これも理由聞いてないんだけど、トークショー初体験の総帥としては、知ってる場所でやりたかったから、神田さんのファインプレイ……だよね?