幼なじみはアイドルの先輩

「どうしたの?早く食べないと冷めるよ」


私は尾を引いてるのに、ひかるさんはいつものまんま。


私がいるから無理してるのかと返って気を遣ってご飯が喉を通らないよ。


「そう落ち込まないでよ。いくら反省したって今日は戻ってこないんだしさ。杏がよく劇場の非正規メンバーに言ってるじゃん。絶対反省はしないで!反省したって良いこと1つもない。反省したくないなら今日を全力でやりきりましょうって。あたしらは技術はそれなりにあるんだから」


ひかるさんが立ち上がって私の隣に勢いよく座り込み、甲高い声で私を励ましてくれた。


風圧で遮光カーテンが僅かだけど揺れたよ。


ひかるさん、私の迷言どこで耳にしたんだろう。


あれは、安西チーフの事務所内の口癖を横取りさせてもらっただけなのに。