幼なじみはアイドルの先輩

それだけ先生自身も強い思い入れがあるこの津軽じょんがら節を弾かせていただける機会を与えて一層身が引き締まります。


壇上はないので、パイプ椅子を置いてスタンバイ。


劇場公演とはひと味もふた味も違う演奏の場。


ここでは超至近距離で上から見下ろすこともない。


対等に接してるから、緊張もしやすい。


「いくよ」


ひかるさんが私をチラリと見てから深呼吸した。


私も深く深呼吸して津軽じょんがら節を弾き始めた。


今回初めての解禁だから、みんなの様子を確認する余裕はなかった。


終始自分のことで頭がいっぱいの中演奏を終わらせた。


演奏を終えての水を打ったような沈黙の時間が1番嫌。


なんでもいいから早く何らかのリアクションがほしい。