幼なじみはアイドルの先輩

探れって努さんは簡単に言うけど、私にしたらかなりの高度なテクニックよ。


そんな私の想いが努さんには到底届いていないようで、文といい感じで付き合いたてのカップルみたい。


さっさと付き合っちゃえよ!お似合いですよ〜。


「また何かあったら文さん経由での連絡になると思う」


「……ありがとうございます」


恋のキューピーットって、下手したら凄く嫉妬してしまう役回りなのかも


文が遠くの存在になった……私の気のせいなのか……。


当の本人はケラケラ笑って全くいつもと変わらないけど、私にはそう見えてしまうのってまさかね……。


「俺もアンバサダーとしてまともな仕事したいから、いい話あったらお願いします。あ!オタ共の間では隠れ杏ちゃん推しが増殖中だよ。頑張れよ!」


「……ありがとうございます」


本当は嬉しくてたまらないはずなんだけど、素直に喜べない感はなんで?


やはり、努さんに……。


ダメ!ダメです!!


親友と争うなんてできっこない。


うわあ……恋のキューピット恐るべしだよ……。