幼なじみはアイドルの先輩

うしおさんに気に入られれば、テレビマンに顔の利く人だからテレビの仕事にはありつけると思うが、ちょっと趣旨がな。


そこは桂木の腕のみせどころでしょ。杏を守るためならお笑い界の魔神でもひるむんじゃない!


「杏に話したから、俺は帰るぞ」


「彼女来るんだったな。早く行け」


「珍しいな。アイドルを生ゴミ見てるような目で見てるお前が」


「うるせーな。社長とは古い付き合いなんだよ。この間会ったら奴泣いたから、彼女のことが心配になったんだよ。悪いか?」


「お前が心配することではないよ。杏のことこれからも頼むぞ」


「お前が心配しなくても俺の目の黒いうちは大丈夫だ。早く行きな」


桂木はゆるめていたグリムソンレッドのネクタイをスタンドミラーを使って閉め直し始めた。


考える人のポーズを思い出し笑いする前にすみやかに退散いたしました。