幼なじみはアイドルの先輩

「面接?」


「勘違いするなよ。事務所社員の面接だからな。ハローワークに求人出してるんだぞ」


桂木は自分の机を指差した。


興味はまるでないが、俺がやや冷やかし気味なのが気に入らないようなので、渋々立ち上がった。


確かにハローワークの求人票のコピーが雑に置かれてるな。


しかも、コーヒー飲んだってわかるほど茶色のシミが転々とあるぞ。


「話はついたのか?」


煩わしそうだったグリムソンレッドのネクタイをゆるめてソファーに腰をおろした。


「うまくいった」


「そうか。もう1年だろ?何とかここまでこぎ着けたな。それもこれも久留米が杏ちゃんに興味がないってことが大きいな」