幼なじみはアイドルの先輩

俺が安西に助け船を出したことになってある意味ラッキーだよ。


知恵は出さなきゃいけないが、それははなから承知してたから仕方がない。


だが、俺の予想の範囲をはるかに越えてひそかに活動してないなあ。


杏にそんな魅力があるんだ……。


捨てた親父が何言ってんだよ!


「ダシ残ってるから、米とチーズこの中に入れるけど、賛成の人!!」


「はーい!!」


普通手を挙げるでしょ。


揃いも揃ってコーラスみたいな声出しやがって。


いくつになってもかわいい連中だよ。


「これ、阿久津君にも食べさせたかったね」


「よせよ。あいつは寝ても覚めてもビールしか頭にない」


「あゆみさん、残念ながら先生のおっしゃる通りです」


ほろ酔い気分でこの場にいない阿久津をいじり倒した。


いまだ痩せる気配のない奴を本気にさせる方法の1つとして、来月のコンサートでのユニット加入のサプライズ発表しかないとダシを飲みながら真剣に考えてた。