幼なじみはアイドルの先輩

安西が漏らしたこのセリフ。


俺もそう思っていた。ただ、事情が違う。


「安西さん、乾杯しましょ!ジョッキ持って!」


落ち込みつつある安西を小山内は盛り上げようと自ら積極的に動いてるが、同時に俺の足を突っついてるんだ。


わかってるよ。今考えを巡らせてんだ。


このまま正規メンバーになればチームごとに振り分けられて普通にアイドルとして活動することになる。


俺たちが目論んでいたメンバーと一線を画すアイドルではなくなってしまう。


榊は4人分のお碗をまとめて一気に1人ずつお碗に入れていった。


この真っ赤なダシがたまらんのだよ。


「では、あらためて乾杯!」