幼なじみはアイドルの先輩

全員私の存在に気づいたが、即席サイン会に対応してるため声をかけられない。


「あ、嘉穂、おはよう」


「おはようございます」


どうやらこれから嘉穂も雪かきに参戦するようだね。


「あたしはこれから雪かきです。この子たちはピークで大変ですけど気合で」


まっ白な外をしばし眺め嘉穂は深呼吸した。


そして、なぜか拡声器があるではないか。


新年の挨拶しようと思ってたから丁度いいや。


「みなさん、ガーネットグローブの水原です。明けましておめでとうございます」


外と中では温度がまるで違う。


これだけの熱気があれば、雪も溶けてなくなるわ。


「今日はあいにくの天候で中止になり申し訳ございません。日頃の感謝を込めてサイン会をしております。私もサイン会に参加させていただきますので、みなさんお手柔らかにお願いします」


ファンの方々からよろしくお願いしますとの返事が。


律儀過ぎてグッときたわ。


地方密着の成果を肌で感じ取った。