幼なじみはアイドルの先輩

「…………それなら本題に移ろうか」


やけに察しがいいなあ。


「今年桂木エージェンシーは創立48周年を迎える」


「48年!?早いなあ。お前の代で消えてなくなるかと思ってたんだがな」


俺の冗談に無言だ。


半ば本気でそう思ってたのか……。


「今、社内で50周年に向けての企画を検討中なんだが、是非協力をしていただきたい」


改まってお願いされるパターンはたいていややこしい仕事なんだよな。


「俺に出来ることなら」


「実はな……、ご当地アーティストグループを作るんだ」


水が鼻に入りそうだった。


「桂木さん、本気ですか?」


「俺はいつでも本気だ。前にも言ったが、50周年の目玉として自前の女優とアイドルのオーディションとこのご当地アーティストだ。桂木事務所にいない分野の新規開拓を果たして事務所のさらなる発展を目指すんだ」