幼なじみはアイドルの先輩

春の足音が近づき、通信科を卒業する杏と千晶をお祝いする計画を練っていると、桂木からランチのお誘いが。


この日の外は風が冷たかった。


とっさの判断でコートを着たのが正解だった。


どこでランチかと思ったら、業界御用達のステーキ専門店ではないですか。


しかも、わざわざ個室に案内された。


桂木さんの野望をお聞きすることになるんですね。


「おー寒いなあ。手がかじかんでるよ」


桂木はコートを着ていなかった。


俺のコートを少しだけ触り席に座る。


「ここのステーキランチの味が最近よくなってんだよ」


「シェフが交代したんだよ」


「ホントか?」


「ドロドロした話になるから、これ以上は言わない」