幼なじみはアイドルの先輩

まあ、人数を絞るってのはほぼ間違いないと思う。


埋もれていくメンバーを減らせることも出来るしね。


「選抜祭の話はまた後日として、うまく引き継ぎは出来ているか?」


「おかげさまで」


「古谷、ホントか?」


古谷は頷こうとしたが、くしゃみが出始めて鼻を押さえた。


それを見たゆかりがそばにあったティッシュを古谷の元に滑らせた。


「社先生のおうちに飛ばさないでよ」


「はい……」


テンションが1番底のように低い。


早く帰らせてあげないといけないな。


「もう1年このままで行き、来年のコンサートでどうするか発表するよ。だからそれまでに引き継ぎは完了してくれ」


「承知しました」


帰るときに気づくべきだったが、古谷が財布とスマホを置き忘れてた。


総帥になればこのようなことは歓迎されないので、古谷にとっては今のうちのうっかりだな。