幼なじみはアイドルの先輩

でも、並んでいるみなさんはかき氷優先なのか、誰1人として私たちに見向きもしない。


「みんなかき氷買ったらあたしたちに手を振ってくれるよ。次期総帥とエースがここにいるんだから」


薫さんの前向きな予想が当たり、かき氷を手にしたお客さんから次々と手を振られていく。


声をかけていただく人もいたが、大勢の人が来場してるので近くの声でもかき消されてしまう。


そして、私の見える範囲に問題の親子が。


…………言うまでもなく社先生と奈未ちゃんだった。


「家族サービスを社先生が……」


佳英が誰よりも感激してる。


奈未ちゃんはかき氷買う前から私たちに手を振ってくれてる。


その一方でパパは見て見ぬふりだ。