幼なじみはアイドルの先輩

「みんな泣きそうな顔しないでよ。あたしのアピールがまだまだ足りないだけだからまだまだくじけないよ」


「でも、無理して……」


「うっちー、大丈夫だから!!壁はあたしなりに砕いていくから。辛いときはこの泡盛飲んで元気だすからさ」


麗奈は自分から果敢に壁を砕くタイプではないことは本人が1番よくわかってるのに……。


グループにいたらみんなで守ることは朝飯前だったんだけどなあ。


みんながみんなソロで自分の夢を掴むとは限らないこの世界だ。


いずれ当事者になるから、みんな表情が硬い。


「リアルな話はもうやめよう。みんなでちんすこう食べようよ」


麗奈には悪いけど、あまりにもリアルな話だから今回は白い歯はとても見せられなかった。


お開き前のいつもの集合写真はかろうじてみんな笑顔を作っていた。