幼なじみはアイドルの先輩

呆れてる割には、楽しんでるように見えなくもない。


「女の子からきつく意見言われるのって案外刺さるだろ?」


「じきに慣れてきますよ。東子たちもアルテが活動再開前に少しでもインパクト残しておきたいんでしょう。俺でもそうしますよ」


「アルテはやっぱり活動再開するのか?」


「確かなことはわかりませんが、事務所もレコード会社も移籍し、新たなプロデューサーで来年の夏あたりみたいですよ」


1週間外に出ないだけで業界の情報に疎くなりかけてる。


「よそはよそ。我々は自分の仕事を愚直にやっていけばいいんだ。サブロー君が今日うちの事務所に来ていただいたのは仕事の話だ」


「仕事?」


「サブロー君は前からインディーズアーティストたちにもっと楽曲提供したい夢をワシに語っていてな。それならばと、来年のアマゾナイト第1弾シングルをサブロー君の作詞作曲で行こうと決めたんだ。阿久津君は快諾してくれた」


俺が寝込んでる間にそんな動きが。