幼なじみはアイドルの先輩

社先生からのメールにまず気づいたのは奈未ちゃんだった。


こんな大人数いる会場内でよく私のスマホの着信がわかるなあ。


「時間ですよね?」


「そうみたいね。どこにいるかーー」


「もう来てますよ」


背後からの生ぬるい吐息に奈未ちゃんと後ずさり。


「ビックリしたあ」


「そろそろ家族サービスさせてください」


誰にも言われることなく奈未ちゃんはパパの元へ。


やっぱり親子ってこうなんだな。


「パパ、あたしの行きたいとこまだあるからそこお願い」


「え!?おう!行くぞ行くぞ」


行きたいとこは私が奈未ちゃんに仕込んだ。


ハイタッチと素直に実行してくれたのは収穫だ。


風がやむ第1歩だよ。