幼なじみはアイドルの先輩

公演が終わったと同時に安西代行が席を立った。


「しばらくカフェに寄ってくるから」


そう言って事務所は私だけになってしまった。


1人になると、この広さを持て余してしまうんだよね。


仕事ははかどるけどさ。複雑だーー。


…………早いなあ。もうノックしてる。


葉月はそのままの格好か。


とことん嫌なことは早く訪れるね。


私が声をかけたら、葉月が入ってきた。


額からは汗が浮かんでるし、髪も濡れ気味だ。


「お疲れ様。よかったよ」


「…………ありがと」


ライブ終わりの疲労が原因でのテンションの低さではない。


葉月は口を開こうとしてるが、思い止まってる。