頼んでもいないのに、右端の子を指差していかに好きかプレゼンほどではないが、興奮気味に語ってくれた。


その横で香はココアを飲みながら、どうしようと小声でつぶやき続けていた。


とにかく、思わぬ仕事が舞い込んできた。


悪いが、妻や奈未にもしもの時の言い訳が出来たよ。


その前にお土産はきっちり買わないといけないね。


「ほら、ほら!これこれ。ユキ子ちゃんのサイン」


「あ〜あ、あたしもお気楽なマスターに転職しようかしら」


香はムッとした顔つきになりながらもココアのおかわりを要求した。


「まあまあ、悩みを抱えてたら人生つまんないぞ。歌って忘れようや。な?」


光宏の人生相談の答えはやはり光宏らしかった。