幼なじみはアイドルの先輩

言われるがまま自分の名前が貼ってあるロッカーを探したら確かにあった。


中を開けたら、確かに私のジャージと白いタオルが入ってた。


「それ持って中入って待ってて」


「はい……」


なぜなんだと思いながらも扉を開けたらすぐ納得出来た。


「広っ!」


1人ではもったいないくらいに広いスタジオ。


長椅子に座って辺りをぐるりと見渡す。


あそこの部屋はいろんな機械やらマイクやらあるけど、レコーディングスタジオ?いや、ラジオブース?


どっちか答えを迷ってる時に真帆さんが入ってきた。


ビジネススーツから一転のジャージ姿。


髪を後ろに束ねて眼鏡も外してる。


「これからレッスンします」


「1対1ってことですね?」


「雅からは徹底的にしごいてくれって言われてるけど、あいつもいつからあんな偉そうに私を指図するようになったんだろ」


「お知り合いですか?」


「私は、元々ダンサー上がりの振り付け師で雅先生は私の後輩。あんな情緒不安定なキャラに育てたつもりはないんだけど」


真帆さんが呆れ気味に笑った。


「腰痛めて今の仕事に就いてるけど、あなたとのマンツーマンならなんとかやれそうよ。よし!やりますか!」


「やります!」


上京しての初日最後はレッスンと芸能人っぽくなってきたよ。


ホントに時間はもったいないくらいに過ぎていくし、1年後があっという間にきそうです。