幼なじみはアイドルの先輩

薫さんが言ってたように、今回のゆかりはどうも様子が変だ。


こんな泣きそうに私に向かって言うのってなかったよ。


「ゆかり、ズバリ聞くよ」


「…………お手柔らかにお願いね」


「来年で卒業したいって……いや、社先生にもう相談してる」


酎ハイを飲もうとしてたゆかりが固まった。


瞬きもせず、私をジッと。


我慢比べかとその気になった矢先にゆかりがうなだれた。


「図星かよ」


「……否定はしない」


「そんな様子じゃ社先生からいい返事もらえてないでしょ」


「来年10周年なのに、トップの総帥が卒業宣言したらシラケるだけだ。今から全国ツアーなのに、そんな考え持ってるなら今すぐ辞めなさい。どうしても意志が固いのなら、俺は全グループを解散するって」