幼なじみはアイドルの先輩

悔しさと。


悲しさと。


誰にぶつけていいかわからないこの怒り。


気付いたら、私は半分残ってる杏の焼酎ロックが入ってるグラスを手に持ってた。


持ってしまえば後は飲むしかない。


美味しく飲めるのに、こんなに苦かったっけ?


顔でも洗って寝ようか……。


ああ、杏がトイレから戻らないんだった。


引きずってでもベッドに寝かさないと風邪引くしね。


ドアが開いてた。


杏はうずくまってる。


「気持ち悪いの?」


「…………悪くない」


「え?」


「…………愛結さんはどこも悪くない!なのに、何でなの!!おかしいよ!おかしい…………」


こんなに大泣きしてる杏を見たの初めてかも知れない。


涙と鼻水が混ざって、トイレットペーパーが減ります。