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こうして二人きりになることはもう何年ぶりだろう。たぶん緊張で顔が強張ってるな。私のペースにあわせてくれるゆうくんは相変わらず優しい。

「本当は雨が降った時雷が鳴ったら、さくらは帰れないだろうなって思って待ってた」

突然ゆうくんが話し出す。

「雷苦手なこと、覚えててくれたの?」

「もちろん。お前のことはなんでも覚えてる。だってずっと、さくらが好きなんだから」

「え…?」

いきなり放たれた言葉に驚きを隠せず、足が止まる。

「さくらが俺のことどう思っているかはわからないけど、俺は今までもこれからもさくらだけが好きだ」


ゆうくんも立ち止まり、私の顔を見てはっきり好きだと言った。その瞳はとても切なそうだった。

「お前はどう、思ってる…?」

自信なさ気に彼が言う。うつむいてた私の顔を覗き込みながら。

「なんで、泣いてるの?」