渉は、にっこり笑って

「身請けまで、客はとらないから
しばらくは、看病に通うから」


「渉…いいのか?」


「うん…なんかしてた方が紛れるって
戻ろうか!」


「おう」


屯所に戻ると、看病へ


俺は、近藤さんの部屋へ


「大丈夫か?」

心配そうに、俺の顔色を覗う近藤さんに
頷いてみせた


「正直… どうしていいかわかんねぇ」

「渉には、人を怨んで生きるより
人に愛し愛され、幸せに生きて欲しい」

「あぁ…話を聞いた今でも、渉を想う気持ちは、かわらねぇんだ
渉から妹を奪ってしまった
慶太郎も…
俺には、渉を守るほどの強さが必要だ
新選組だって、守ってみせるさ」


「はははっ 歳なら、そう言ってくれると思ったよ!
歳…新選組は、俺達皆で守ればいい!!
お前は、渉を救ってやれ!
身請けなんざ、望んでいるはずがない!
渉は、歳が見つけて来たんだろう」


「やるだけやってみる
京が燃えるのが見えたんだってよ
それを止めたら、身請けは断るそうだ
あと… 俺が、渉を斬るのが見えたと…」

「それは、ないなぁ…
歳が渉を斬るはずはないだろう」

「だろ!?
一応、気を付けるがな
で…? かっちゃんは、その…
偏見とかねぇのか?男同士とか…」


「渉は、女顔だからかなぁ
歳と渉なら、気にならんな!はっはっは」



なんとなく、味方が増えたようで嬉しいもの


「山崎も渉に惚れてるみたいなんだよな」


「そうか、大変だな?
山崎は、手強そうだ!!」



面白がっているように見えたから、ここでやめておこう