*武士の花*~花は桜木、人は武士~

渉「記憶を消した」

無表情な渉が、クルリと僕の方に向いた

渉「私がいると、土方さん…
集中できないみたいなんだ…
だから、私の記憶を消した
鎮撫隊を近藤さんから、引き継いだんだから、これからはもっと危険でしょ
それに……七重は、私が幸せになるのが
憎かった……これで、恨みもはらせたでしょ」


表情を変えることなく、渉は


泣いていた



弘「最初から、こういう計画だったのか?
土方さんが好きなクセに……
そばにいたいって…なのに… 
バカヤロウ!!」


ぐしゃぐしゃに泣く弘吉くん

必死に土方さんの足を止血していた


渉「戦線復帰には、2、3月かかるだろう
弘吉、これからも土方さんを守って欲しい
指揮官は、前線に立つなと教えてやれ
それから…… これを……」

弘「珊瑚玉の簪?」

渉「私、病なの……多分、永くない
沖田より、先に逝くと思う」

沖「何言ってるの?渉…?病って!?」

渉「私が死んで、1年後……記憶が戻る日が来るはず、その時に簪を土方さんへ渡して……
何も言わなくていい
ただ、渡してくれたらいい」

弘「1年後…まだまだ死ねねぇな」

渉「死んでも、親友でいてくれる?」

弘「うっ…当たり前だろ……うぅ
親友だからな!!」

渉「ありがとう
沖田…一緒に戦ってくれて、ありがとう
沖田、いてくれたから、心強かったよ!」


後戻りは、出来ない

いや、しない

渉は、前だけみて進んでる


沖「松本先生の所で、待ち合わせしよう
僕も隊を抜ける!土方さんが起きたら
その旨を申し出る!」

渉がコクッと頷いて、去った


僕の刀を受け取らなかった理由

なんで、気づいてあげられなかったんだ


今になって、わかるんだ…

松本先生の所で、倒れたんだ

あの時、ずっと松本先生の所にいたんだ

おつかいなんて、嘘

療養していたんだね


僕が、もっと話を聞いてれば


どんなに辛かったか


こんな選択をするのに、どれだけ泣いたか


僕が、気づいてあげられたら


微力だけど、僕の残りの命は、君の為に

使う