~土方歳三~


天子様からの伝令を受け取り

渉未達は、少し和やかになった


「今わかった!苦手じゃない!
俺、嫌いなんだと思う!!」



フンと威張って、渉未が言うと

辰巳は、ゲラゲラ笑う

蓮実ってやつは、呆れ顔



弘「まだ、笑えないんだな……」


顔を隠しているが、3人の表情はわかる



「辰巳!うるせぇ!
土方さん!はじめましょう!」




烝「医者には、診てもらったんか?」


「…っはい、元気です!」


山崎に話し掛けられ、よくわからん答が返してききた


辰巳は、相変わらず笑っている


がっしりと渉未の肩を組み


辰「母子共にな?」


そう言われるのが、嫌なのか

渉未は、力の限り辰巳を蹴る


避けなかったのか、避けられなかったのか


痛みに悶える辰巳を他所に


渉未は、制札へ近づく

あと2歩進むと、制札に手が届く

という所で、渉未が立ち止まった


俯き目を閉じ、集中しているのか?


違う……



土「渉未……無理に見なくてもいいぞ」


渉「平気、こんな力でも、役に立つなら使わねぇとな」



渉未を見ればわかる

本当は、見たくないんだって…



深く息を吸い


ふうっ と吐き


制札へ触れる