~山崎 烝~


また、しばらく留守にすると七重に言った

今回は、皆にも居ないことにしてもらう



なんでやって?




七重が俺に依存しているからや



なるべく皆といて、色々出来た方がええやん?


せやけど……



最近、笑わんなったん、なんでや?


洗濯も淡々とこなして……



あんなにキラキラしとったんに、どないしたんや?


「山崎さん…ちょっといいですか?」



弘吉から、2人で話したいと言われたのは

初めてのことやと思う

七重の事やろなって

若干の緊張を隠しつつ

人気のない所へ



「どうして、アイツをさけるんですか?」




さけてる?



「なんやて?
なんで、避けてると思うんや?
俺は、七重の為にしてるて言うたやん
目や耳が悪いんやから、皆に助けてもらわなあかんやろ?」


「アイツが必要としているのは、山崎さんですよ
最近は、色々出来るようになりましたし
もう、いいじゃないですか
渉が可哀想ですよ」


「ひとりで火も扱えなあかんやろ!」


「そう思うなら、山崎さんが教えてあげたらいいでしょう?」


「せやな……少し、皆に任せすぎてたかもれん
そうや!最近、七重が元気ないんや
置屋の友達とかと、出掛けられんか?」


「話してみます」


「おおきに」











弘吉と別れ、部屋に戻る途中

そうや……


沖田さんにもお願いしてみよ




「沖田さん!七重と出掛けてくれへん?」

「どうしてです?」

「2人共ずっと屯所やし、気分転換!」

「僕が渉と行っていいの?
山崎くん、行ったら?」



話してたら、七重が戻ってきた

俺は、部屋の隅による


「沖田、ただいま」

「おかえり
ねぇ、僕さ……体調がずいぶん良くなったから、出掛けたいんだけど
一緒に来てくれない?」

「……」


あれ?七重、めっちゃ無表情



「あっ… 聞こえないんだった……」


沖田が慌てて、七重の手をとり
同じことを書く

「ごめん… 外に出る気分じゃなくて」


申し訳なさそうに、断った


「それに……烝さんと出掛けたいから…」


『そうだよね!山崎くん、早く帰ってくるといいね!』


「うん……」