3人で、近くの寺に立ち寄った

土「慶太郎、返事を聞かせてくれ」

慶「俺は……」


俯く慶太郎のそばにより、肩に手を置く渉


渉「さっきみたいに、誰かを堂々と守れるんだ!慶太郎に丁度いい仕事じゃねぇか!
剣術の腕と、慶太郎の正義感、責任感…
慶太郎が浪士組に入っても、会えなくなるわけじゃねぇだろ?いい誘いだと思う!」


なぜかポロポロと、涙を流す慶太郎に
渉は、続けた


渉「浪士なんていったって、色々いるんだ
今まで、ロクでもない奴ばかりにしか、出会ってねぇけど
この人達は、信用出来るよ!
俺は、信用してる!」


にっこり笑いながら、渉は慶太郎を覗き込む


慶「……ごめん」


それが、何に対しての言葉か理解出来なかったが


慶「浪士組に…入れて下さい!」


土「おうっ!」


慶太郎からの返事が嬉しかった


慶「渉は?」

渉「俺は… 今の生き方が気に入ってる」

慶「なら、お前は俺が守ってやるよ」


土「身請けするかなぁ」


渉「おぇ…」


慶太郎が挨拶する為、3人で屯所まで来た


皆が、慶太郎を大歓迎している間に

渉は、一瞬だけ、目線を落とした

そして


渉「俺、仕事なんで!!じゃあな!」


へらへら笑って、その場を去る

気になって、追いかけた


土「渉!!」

渉「ん?なに?」

土「……」  

渉「ふっ お礼なら、今度、団子ね!!」


ひらっと手を上げて、島原のある方へ
歩くのを見送った



浪士組との関わりを拒んでいた、慶太郎の心変わりは、渉が俺達の事を、いつも話してくれたおかげだった


慶太郎が、浪士組に入ると知り、道場の殆どが、浪士組に入隊した


慶太郎の人望の厚さがよくわかった



入隊の日には、お祝いとして
渉は、慶太郎の好物である煮物を作ってきた




その日、正式に大阪奉行所から
不逞浪士の取締を依頼された




近藤さんの部屋には、花菖蒲が飾ってあり




妙に目をひいた




大阪行きの人選中、何度も見てしまった