茶色の奴らが何者なのか

未だ、わからないまま




次に渉に会えたのは、桜が咲き始めた

夜のこと



新選組の宴の帰り道だった




気配なく茶色にグルリと囲まれた



俺達が抜刀すると



渉は、茶色の奴らを自分の後ろに下がらせた


「渉!!」

弘吉が声を掛けるが、渉は反応せず


「伊東」


伊東さんを手招きした


伊東さんは、堂々と渉に近づいた


「物騒だから、刀をしまって貰おうか?」


渉が言うと、伊東さんから手で刀を収めろと指示される


そして…渉は、伊東さんの胸にそっと

左の掌を当てた



「武士とは、難儀なものだな……」



訳のわからないことを言い

手を離した



それから、右手を上げ、指をくるり



廻りにいた茶色達が去る



後ずさり、俺達をジッとひとりづつ見回し



去ろうとした




「渉!!」



弘吉が呼びとめ、山崎が渉を捕まえようと
飛び出す


軽く山崎をひっくり返し


「追うなよ」


山崎の懐から出したクナイで、山崎の服と
地面を刺した


素早くその場をさっていった



何だったんだ?




渉は、伊東さんに何を見たんだ?







伊「なんです?あれ!気味悪い!」







どうしたんだよ…… 渉