女将の許可を貰い、しばらく休むことに


とはいえ……


下男として、働く



今さらだけど、帯がなくとも
サラシが当たってる

ずっと巻いてるもんな……


まぁ 幾分マシか




毎日、山崎さんから貰った薬を付け替えして貰っているが

いってぇなぁ


滲みるんだよなぁ



わざと、滲みる薬を出したんじゃ?


「どうして治らないのかしら?」


あれから5日だが、椿と女将は首を捻る

10日で来いと言われたが

悪くなった気がすると、2人が言うので



弘吉を誘って、新選組に行こうと思ったが
留守だった



仕方ない… 1人で行くか…




門番は、すっかり顔馴染み



「あれ?渉?さっき、弘吉が来たぞ?」

「そうなんだ?ありがとう」



弘吉は、よく来てるのか?


いつも通り、庭の方から回っていく


「しっかり狙って!!」カンッ  

「そう!背筋は、伸ばす!!」カンッ


やっぱり……


弘吉は、新選組で刀を振りたかったんだ


沖「あっ!渉!!」


打ち込みをしていた2人が、俺に向く


「悪ぃ…邪魔した?」

弘「……いや」


沖「弘吉も、なかなかの腕なんですよ!」


「だろうな
3人で遊んでたもんな」



俺も、弘吉も、基礎はないけど
見て体で覚えている

俺が皆と距離をおいたり、うまく笑えないせいで……弘吉に我慢させている


弘「渉……誤解すんなよ!」


「俺に気をつかうなよ!!
新選組に入りたければ、入れよ
弘吉がやりたいことに、頑張ってんのに
俺が止めると思ったのか?
お前こそ、誤解すんなよ!
俺は…そんなに心が狭くねぇよ!」


俺は、どんな顔して言ってるのか、わからなくて、ぷいっと逃げるように

井戸のある方へ進んだ