近藤さんから、届いた文を見せる為

置屋へ


「お?土方さん?昼間からどうした?」


弘吉が俺に気がついて、声をかけてきた


「渉に文を見せたくてな」

「俺の部屋にどうぞ」


久しぶりに入った部屋

渉と弘吉の部屋


懐かしいなぁと浸ってしまいそうだ



「会えたって?」


文を出し、渉に見せた


「へぇ~奥医師……偉くなったんだ」


久々に、心からの笑顔を見た

その自然な笑顔が、すごく綺麗で

弘吉と目を合わせ、俺らも笑った


弘「江戸にいたときの知り合いだろ?」

渉「親父と一緒に働いてた人、仲良くて
  ……会いたいなぁ」




会わせたい






そう思ったのは、弘吉も同じだった


弘「なぁ、駄目でもいいから!
来て欲しいって頼んでくれよ!」


翌日、朝から弘吉が屯所でうるさい



「昨日、文を出した
来てくれるかは、わからんがな」


「ありがとう!!土方さん!!」

「弘吉、内緒だぞ!?」

「なんで?」

「来れない時、落ち込むだろ?」

「なるほど……渉、喜ぶなぁ!!」


文を出したというだけで、弘吉のこの喜び様……



18なんて、まだ子供見てぇなもんだ






桜を身請けしたいと、2人の男が申し出た

女将が、傷のことを話すと

2人は、諦めたと弘吉から聞いた




俺は、渉に負い目を感じている





妹のこともだが、火事のことも

渉を斬ってしまったことも




だから、山崎といい仲になったとき





身を引こうと思った






実際は、恋心を抑えるのに、必死







渉がちゃんと、笑えるなら







喜んで、この気持ちを偽る