電車に乗って、ゆうと蒿くんは帰っていき、私と神崎が残った。



「今日、悪かったな。」



突然神崎が口を開いた。



「ううん、大丈夫だよ。」


「大丈夫なわけないだろ。」


「そんなことない。大丈夫。」


「強がるな。
怖かったんだろ、お前も。」


「それは.....」



突然、涙が溢れてきた。



「うっ、ううっ.....」



涙はとめどなく流れる。



「ごめん、俺がついててやるのが当たり前だった。」


「ちが、だいっじょうぶ。」


「もう、由奈に怖い思いさせない。
だから、ごめん。」


「うっ、ん。」



何度も何度も私はうなずいた。

声にならない分、何度も。



神崎がいれば、もう何も怖くない、そんな気がしたんだ。



神崎を信じたい。

そう、思った。