~帝side~

ったく。
俺の気も知らねぇで………。

「何であんなに「凪に嫌われてんのか。でしょ?」

ビクッ。

「お前っ!「どうどう?ビンゴ?ビンゴ?んー。そーね。あんたが冷たすぎるからよ。あんたが意地悪いやつだから凪は近寄りにくいんでしょ。」

ギクッ。
図星をつかれてちょっと萎える俺。
この図星を付いてきたのは中学からの幼馴染、藤堂今日華(トウドウキョウカ)。

俺と凪華は誕生日も生まれた時間も病院も同じな上に
親同士は高校時代からの友達。
だから必然と一緒にいる時間が長い。
いわゆる、完璧な幼馴染ってやつ。
誕生日は必ずどちらかの家に集まって
パーティーを開くんだ。
今年は俺の家で。

ちなみに、俺は凪華が好きだ。
あれは中2の頃。
中2の夏。
俺らの両親は同窓会でいなかった。
その日は運悪く雷が鳴るほどの大雨で
凪華は一人が苦手なのに暗い家の中で
一人でいたんだ。
雷が大きくなった時凪華から連絡。
「もぉやだぁ……みーくん助けてぇ(泣)」
って涙目で言うもんだから、その瞬間に恋に落ちた。
まぁ、凪華は恋なんて知らないだろうし、
何せ鈍感だから気付いてはくれてないだろーな。笑

「我ながら、不器用だな、俺……。」

そんな事を思いながら、今日華をほって登校道を急いだ。