「ヒナちゃん」




「…っはい?」




「これを持って行って欲しいんだけど…
大丈夫かな?」




「だ、大丈夫です!」




よろしくねって、笑顔で言いながら去る真琴先輩。




いつからだろう?

名前を呼ばれるだけで鼓動が早くなったのは。
笑顔にドキドキが止まらなくなったのは。

…意識、し始めたのは。




資料室で、はぁ…とため息をつく。




昨日、勇気を出して美夏に恋とは…の続きを聞いたんだ。




そこで聞いたことと、
私が真琴先輩に対して感じることや影響することは、ものすごく似てて…

まさか……なんて思ったりした。




仮に恋だとして、

そんなの…いつから?




なんて考えても、何も分からないんだ。




頼まれた荷物を持って、資料室を出る。




今は放課後、
もう少しで迫る中間テストの勉強をしながら
この学校にしかないイベントの準備をする。