キレイな温室のトビラを
なるべく音を立てないように開ける。
…………いた。
温室の真ん中にあるイスに座って、
花を優しい表情で見ている。
でもどこか悲しそう。
一度大きく息を吸って吐いて…
「真琴先輩……」
そう声をかけた。
真琴先輩は、目を見開きながら私を見た。
ここにいるなんて、思ってなかったんだと思う。
「…………こんにちは」
確かに最近は、朝会っても挨拶しないし、
真琴先輩は食堂でご飯を食べてる。
いつもなら、朝におはようございますって言って、おはようって笑顔で返事が来て、
放課後生徒会室で会っても、
お疲れ様って言う関係だったのに。
“こんにちは”
その一言だけで、
ズキンと心がものすごく痛くなって、苦しくなった。


