真剣に悩んでる私に、
真琴先輩が声をかけた。




「聞いたことに絶対に応える、
とかでもいいんだよ。
例えば……“なんで私にキスしたんですか”とかね…」




「……え?」




真剣な表情でいう真琴先輩に、
私の思考は停止してしまった。




……身に覚えないんじゃなくて、

………本当はした覚えがあって、
それを…隠してたの?




「どうする?」



私は真琴先輩の目を見て、
一度深呼吸をしてから…




「……じゃあ、教えてください。
なんで私に……したんですか?」



そう聞いた。




「………すごく申し訳ないけど、
いつの間にかしてたんだ。
気付いたらヒナちゃんを引っ張って
キスして…俺自身ビックリして、
そのまま狸寝入りした。
……本当にごめん」




真琴先輩の口から出てきた言葉は、
信じ難くて……

驚きが隠せなくて、




でも、少しドキドキしてて、




心がぐちゃぐちゃしてた。