「冗談なの?」

「俺って冗談であんなことするように見える? しかも相手が遥だぞ」


……だよね。

気心知れた私相手に、冗談であんなことするわけない。


「そんな素振り……なかったじゃん」

「見せないようにしてたんだよ。お前、俺の事ただの幼なじみにしか思ってないのわかってたから」


悠馬は少し寂しそうな声で言うと、信号が青になったのを確認してから自転車を発進させる。


「まあでも、俺的には他の女の子と遥では扱い変えてたけどなー」

「えー?どこが」

「例えば、これ。チャリのにけつ、女ではお前だけ、とか」

「わかりにくっ!」


思わず突っ込むと、悠馬はハハッと笑って少しだけスピードを上げる。