同日、放課後。

熱をぶり返すこともなかった私は、問題もなく私の妹、舞子のお見舞いに来ていた。


「学校の先生にお礼?」


大部屋の一番奥。

窓際にあるベッドが舞子のものだ。

彼女の伸びた髪の毛を結わいてあげながら私がしたのは、お世話になった先生に何かお礼をしたいという話。

舞子はまだ小学生だけど、もう6年生。

さすがに進路とか小難しい相談はできないけど、こういう話は時に盛り上がったりもするので私は舞子にアドバイスを求めたのだ。


「うん、何かいいのないかなー?」

「先生の好きなものは?」

「好きなもの……」


椎名先生の好きなものって何だろう。

そういえば、私って先生の事何も知らないんだよね。

担任でもないから、授業以外で会うのも少ないし。


……どうしてだろ。

なんかちょっと、椎名先生の事知りたいかも。