本当なら1人で帰宅しているはずだった。

でも、タクシーに乗り込む時に予想以上にフラフラしていたのが椎名先生の不安を煽ったらしく。

先生は家まで送ると言って、一緒にタクシーに乗り込んだ。

途中、薬はあるのかと尋ねられて。

薬の入ってる棚なんて最近開けてないからわかりませんと言ったら、先生はタクシーの運転手さんに頼んで近くのドラッグストアに寄った。

それから、家に着くと先生は一応親に挨拶してから帰ると、タクシーの運転手さんに待ってもらうように伝えたのだけど。


「あ……両親は出張で今日はいないですよー」


なので、挨拶は不要ですと伝えたら。


「あと、これも買っておいた。額に貼っておけ」


何故か、お世話される展開に。

いやもう、何だろうこの違和感。

私の部屋に椎名先生がいるって、不思議過ぎるんですけど。


先生は、私が薬を飲んだのを見届けると、熱冷ましのシートを私によこす。

私がそれをおでこに貼ろうと前髪をかき上げれば。


「ご両親は、いつまで不在なんだ?」


親のことを尋ねられた。