椎名先生の隣で、葛城さんが悲しそうに眉を寄せた。


「頼むよ。要がいると、成功率が上がるから」

「成功率?」


椎名先生がいることで波乗りの調子が……


「うん、ナンパの」

「…………」


とかいう話じゃなかった。

マリンスポーツ関係ないっぽい。

それは確かに椎名先生は行きたがらないだろう。

納得だ。

というか、ナンパの為に椎名先生使うとかどうなのこの人。


「あれ、何その目。初対面だよねオレたち」


さっきからの軽い口ぶりといい、そうか、この人って女好きなのか。

本当に椎名先生と真逆のタイプだなと思っていたら。


「ていうか、いい加減時間も経ってるし、踏み出すべきだと思うけどね。海嫌いの要くん」


呆れたように椎名先生に言葉をぶつけた葛城さん。