他の誰かに恋をしても、忘れることのない想いがある。

会いたくて、声が聞きたくて、名前を呼んでほしくて、あの日感じた手の温もりが恋しくて。

今でも時々、涙が溢れそうになる瞬間があるけど。

一生に一度の初恋が、先生で良かったと心から思える。


いつか、生を全うして貴方に会えた時、精一杯の笑顔で幸せでしたと伝えたい。

そして、次こそは貴方と最後の時まで共にいて、幸せでしたと伝えたい。

例えまた、先生との別れが早く訪れるとしても。


それでも、私は先生を好きになる。


「覚悟してね、先生」


2人、過ごしたこの部屋に


優しく微笑む先生の声が


聞こえた気がした。






- fin -