言葉にしたら、どれだけ自分が椎名先生を想っているかを実感して、会いたい気持ちが更に募っていく。

相変わらず噂は生徒の間を行き交ってるし、重たい気持ちに思わず溜め息を吐き出した時だった。


「そんなあなたにこれ」


くるみが鞄からプリントされた1枚の写真を私に差し出す。


「なに?」

「いいから、見て」


にこやかに私に促すから、訝しげに思いながらも受け取ると。


「──あ」


そこには、廊下に立ち頬を緩めた私と……


切れ長の瞳で私を真っ直ぐに見つめる、椎名先生が、いた。


これは以前、廊下で話してるところをくるみが隠し撮りしたもの。

写真の中の先生を見て穏やかな時間を思い出し、胸が苦しくなる。

私はやっぱり先生が好きだ。

きっと、どうしたって嫌いになれないし、もう先生のことを好きじゃなかった自分には戻れない。


早くまた前みたいに過ごしたいよ。

何でもない日々を一緒に過ごしたい。